バンプレそしてDavid T.のこと
1990年代にBand Of Pleasure(通称バンプレ)という日米混成バンドをやっていました。メンバーは山岸潤史とDavid T. Walker(デイヴィッド)のツインギターをフロントに、James Gadson(ds,vo)(ギャド)と清水興(e-b)(シミやん)のリズムセクション。R&Bやファンク、ブルース、ゴスペル、ジャズ等、黒人音楽の要素が渾然一体となったインスト・バンドで、ギャドのヴォーカルもフィーチャー。山岸と私が一緒なので、路線としてはチキンシャックと重なりそうなのに、全然違う音世界でした。チキンシャックは世界中探してもあんな音を出すのはあのバンドだけですが、このバンプレも、まぎれもないワンアンドオンリー・バンド!私のプレイも、自然にチキンとまるで違うものになりました。さて、デイヴィッドとギャドは、R&Bの歴史のど真ん中で、数々の伝説を作ってきたミュージシャン。彼らの出す音一つ一つが超リアルで「そのまんまの音」(う〜ん、うまく言えません)。
最初の1年位は一緒に音出す度に、頭を割られるような衝撃の連続でした。この2人とバンドを作り、一つ屋根の下で同じ釜の飯を喰う体験は私にとってかけがえもない宝になりました。そんな2人のアメリカ代表に勝るとも劣らない日本代表は、誰もが認める超凄腕の山岸とシミやん。あれはホントにとんでもないバンドでした。このバンドと出会わなければ、絶対わからなかった事がいっぱいあり、あの4人には感謝してもしきれません。
先日、David T. Walker日本語公式サイトを運営しているウエヤマさんからインタヴューの依頼があり、くだんのデイヴィッドについて様々語ってきました。話していくうちに、ヴィヴィッドに色んな情景が思い出され、まるであのデイヴィッドが目の前にいるような気分におそわれました。その話の内容がサイトに掲載され、ウエヤマさんの素晴らしい編集のおかげで、おもしろい読み物に仕上がりました。ぜひご高覧下さい。→ Something for T. #16
追伸:バンプレもリユニオンやれたらいいなあ〜〜!
8月 megasameta Quartet@Sometime
月一のリーダーライブ@吉祥寺Sometime、8月29(木)はチキンシャックの盟友、土岐英史(as,ss)をフロントに迎えました。リズム隊はおなじみの古野光昭(b)安藤正則(ds)のレギュラー。土岐さんとストレートなジャズをやるのは久しぶり。彼の音色もプレイもワンアンドオンリー、どこを切っても土岐節でした。しかも、昔より更に磨きがかかり、進化していました。素晴らしい!
私自身は全くロクなものではありません。しかし振り返るとどういう訳か、様々なジャンルのワンアンドオンリーと巡り会う事の多い人生でした。こういうご縁は、たいそう面白く、そこから体で学ぶものは本、言葉の知識の比ではありません。ユニークな方々とのユニークな体験(たいがいは珍道中)を通して学んだ数々が今の自分の全てです。サックスを吹いてない時はただのオッサン?、でも土岐さんと知り合えて、つくづく幸せと思います。
さて、演奏曲はスタンダード中心で、2回のセットそれぞれ1時間半近いステージ、しこたま演奏しました。(土岐さんといっぱいやりたかった!)
1st Blues In C All The Things You Are Chan’s Song Someday my Prince will Come In A Wee Small Hours Of The Morning I Love You 2nd Stella By Starlight Anthropology How Insensitive All Blues Body And Soul Firm Rootsさて、来月9/28(金)のmegasameta Quartet@Sometimeは、レギュラーの古野光昭(b)安藤正則(ds)に芸達者、多田誠司(as)を迎えてお届けします。乞うご期待!
暑気払いは高尾山
今年も高尾山に登ってきました。毎年気温が30℃超になったら、暑気払いに高尾山に登ると決め、今年で6年目。例年なら7月後半に暑熱順化を兼ねて登るのですが、今年は仕事外の色々が多忙で、やっと今日叶いました。今朝起きたら朝から晴れて暑かったので「よし、行こう!」と出掛け、小一時間で高尾山口に到着。昨年に引き続き2回目の稲荷山コース。これは尾根道。風が吹くので中々快適です。休憩も入れて約1時間半あれば山頂です。このコースの他に谷筋の6号路も好きななコースです。山頂でお弁当を食べ、今年は1号路から2号路を経て琵琶滝へ抜ける急峻な道を降りました。高尾山は修験の山ですが、滝行の場所から延びるこの道は修験の行道に違いないと思う荒々しさがありました。この登山は汗びっしょりになりますが限度いっぱいのハードさではなく、適度な負荷があるので毎年の恒例行事になっています。
真珠の耳飾りの少女
「真珠の耳飾りの少女」に会ってきました。上野東京都美術館で開催中の「マウリッツハイス美術館展」です。以前から写真やポスターで見る度に、この作品に神秘的なオーラが感じられ、いつかこの少女に会いたいと思っていました。人気が高い展覧会はゆっくり絵を見る環境から程遠く、特にこの作品は長蛇の列。それでも、フェルメール独特の鮮やかな光をたたえた静謐さに触れると、周りの喧噪を忘れてしまいました。本当に見事な作品でした。
この展覧会は17世紀のオランダ・フランドル絵画の逸品が並び、殊にレンブラントとルーベンスの作品は、時代と文化や人種を超えて訴えかけてくる強い力に圧倒されました。見終わって外に出たら、真夏の上野公園はどこか遠い異国の景色のようでした。
ピッツェリアGG/吉祥寺
吉祥寺にはナポリピッツァのお店がホントに沢山あります。 中でも「ピッツェリアGG」は、私の一番のお気に入り。筋金入りのピッツェリアで、パスタなぞありません。ランチは1,000円前後のピッツァにドリンクとちびたデザートのおまけ付き。お財布的にも大満足!でも、狭いお店なので、すぐ満員になるのが玉に瑕。
7月 megasameta Quartet@Sometime
7月16日は吉祥寺Sometimeでのリーダーカルテット、メンバーは山口真文(ts)古野光昭(b)安藤正則(ds)。真文さんがフロントの時は、ウエイン・ショーター(ts)の曲をたくさんやります。それらショーターの曲を中心に、同じような抽象性のある曲を多く配置します。難しい曲も多く、結果的にエンターテインメントを離れて難解になってしまうきらいがありますが、そこは演奏の緊張感やテンション、面白さで聴き手の耳を惹き付けるしかない、そんなリスクと背中合わせのバンドです。それがうまくいくと演奏自体に出来事性、事件性を帯びる瞬間が多々あり、このメンバーでしか出来ない音空間が出現します。次回この組み合わせは12月頃を予定しています良ければSometimeに是非お運び下さい。
以下は、当日演奏曲。
1st Stella By Starlight E.S.P. Maden Voyage Pinocchio Pee Wee Solar 2nd I’ll Close My Eyes Foot Prints Ana Maria On Green Dolphin Street Infant Eyes Yes Or No来月のmegasameta Quartet@SometimeはChickenShackの盟友、土岐英史(as)がフロントで8/29(水)にやります。リズムセクションはレギュラーの古野、安藤。乞うご期待!
3つのオーケストラ
約1週間のあいだに続けて3つのオーケストラを聴きました。いずれも@武蔵野市民文化会館。6月26日ミハイル・プレトニョフ指揮/ロシア・ナショナル管弦楽団、7月2日レオシュ・スワロフスキー指揮/スロヴァキア・フィル、7月3日リオール・シャンバダール指揮/ベルリン交響楽団 。
3日とも中央前の方、だいたい同じあたりに席をとったので、オーケストラの音の違いがはっきりわかって興味深かったです。ロシア・ナショナルはチャイコフスキー、スロヴァキア・フィルはスメタナとドボルザーク、ベルリン・シンフォニーはメンデルスゾーンとベートーベンと、いずれもお国の作曲家の作品を中心に演奏しました。またそれぞれ、ソリストを迎えてのコンチェルトが1曲ずつ。続けて聴くと色々思うところ大でした。
この中で一番だったのは、プレトニョフのロシア・ナショナル。指揮者もオーケストラも世界トップクラスでした。(チケット代4,500円は超お買い得!)ロシアのオケに共通するのは音が太い事、その例にもれず、それぞれのセクションの音が棒のように目の前に飛び出てくる感じ。しかし決して粗野ではなく、室内楽のような緻密なアンサンブルはみごとでした。特にチャイコフスキーの4番は圧巻。この曲はプレトニョフの十八番、スコアの隅々まで緻密に解釈し尽くされ、手勢のロシア・ナショナルも彼の意図を十二分に理解し、無駄のないタクトに大変説得力のある反応を返していました。それだけでなく、ロシアのオケがチャイコフスキーを演奏すると燃え上がるといわれますが、前の席だったので、プレトニョフも奏者一人一人も段々熱を帯びてくるのが身近に感じ取れました。終楽章の怒濤のtuttiはほんとにすざましかった!音楽が「出来事」になるひと時でした。
スロバキア・フィルはモルダウ、ドボルザークのチェロ協奏曲と新世界。お国の作品なのでやはりオケも指揮者も熱くなりました。実は、ドボルザークのチェロ協奏曲は私にとって思い出と思い入れのある作品です。高校生の頃、ラジオでロストロポーヴィッチ+カラヤン+ベルリン・フィルを聴いてぶっ飛び、貯金をはたいてLPを買いに走りました。聴く度に気持ちが熱くなるこの演奏に夢中になりました。その1年後、新聞でロストロポーヴィッチ+N響伴奏のリサイタルがある事を知りました。何と一晩でチェロ協奏曲3曲をやるという今考えると信じられないようなプログラム!1971年11月06日東京文化会館、この日最後にドボコン。この作品は恐らくロストロポーヴィッチ自身にとっても特別なものがあるのでしょう、明らかに気迫のこもり方が違うように感じられました。オケの序奏部が終り、チェロパートの出だしがはじまると、もう私の胸が熱くなりっぱなし、涙が止まりませんでした。生で聴く彼のドボコンは言葉にならない程壮絶。一人の人間がこれほどまでのエネルギーを内にを燃やし、それを強烈な集中力で一音一音に込めていく様は、何か信じられないものを目撃(聴撃)しているかのよう。人生の大事件でした。こんな経験からドボコン=ロストロポーヴィッチというイメージが強すぎて、しばらく他の奏者の演奏には目もくれませんでしたが、ある時フルニエ(セル+ベルリン・フィル)を聴き、ロストロポーヴィッチとは全然違う(剛のロストロポーヴィッチの対極!)本当に素晴らしいドボコンに出会い、目を開かれる思いをしました。(この事については機会があったらまた述べたいと思います。)それから、シュタルケル、デュプレ等色んな演奏を聴くにつけ、この作品の持つ様々な魅力を理解出来るようになりました。光の当て方で違った顔を見せる懐の深い作品で、人間の創作物のなかでも大傑作の一つだと思います。あまりにも色んな演奏をたくさん聴いたので、この作品の要所、聴き所でソリストが、そして指揮者とオケがどう演奏するか?と聴いてしまう自分がいて少し嫌になりますが、どうにも仕方がありません。話は戻りますが、7月2日のソリスト、ヤン・スラヴィクさんとスロバキア・フィルはいずれもロストロポーヴィッチやフルニエ、カラヤンやセル、BPOのスゴさには及びませんが、まことに「誠実」な演奏で十分心にしみました。この演奏に接して「誠実に演奏すること」の大切さを改めて再認識しました。この日最後は新世界でしたが、これがとてもよかった。今まで聴いた新世界とは違い、あんなに情緒と熱気のこもった新世界はとても新鮮でした。さすがお国の血が音に出ますね。スロバキア・フィルの音は剛のロシア・ナショナルとは対照的に、柔らかさが魅力的でした。世界の中堅、実力のあるオーケストラがノッた時のいい演奏を聴かせてもらいました。
ベルリン・シンフォニーは一昔前のオケの音でした。決して悪いわけではありませんが、指揮もオケも凡庸で、前出の二つのオケに比べて聴き劣りがしました。しかし、メンデルスゾーン・ヴァイオリン協奏曲のソリスト、イリヤ・カーラーさんは良かった!このコンチェルトもハイフェッツを始め、色々たくさん聴きこんだので、ドボコン同様細かく聴いてしまうのですが、大変説得力のある演奏でした。この日の一番!
話は戻りますが、ロシア・ナショナルとサン・サーンスのピアノコンチェルトをやった松田華音さんは若干15歳。申し分ないテクニックとほとばしる輝く才気があり、将来必ずや世界に羽ばたくに違いないと確信させる演奏でした。楽しみな目が離せないピアニストです。(同じピアニストとして、少し羨望を込めて。)
オケを3つ続けて聴くなんて滅多にないので、面白い経験でした。大昔に聴いたドボコンの印象が蘇ってきたりして、内面的にも興味深かってです。
魚力海鮮寿司ルミネ立川店
立川駅駅ビル「ルミネ」のB1新宿寄りの端に「魚力海鮮寿司」があります。となりの魚屋「魚力」の直営。
セットメニューはどれも1,000円前後、この値段でこのクォリティーは中々見つかりません。コストパーフォーマンスは上々!
豊田勇造 “(だいたい)四十周年Live”@拾得
70年代の初め京都のライブハウス拾得、玄米定食を食べに立ち寄ったら 誰かがステージで生ギターを弾きながら歌っていた。歌を聴いてたら急に一緒にピアノを弾きたくなって歌の途中なのにそこにあったピアノで突然セッションし始めた。 その曲が終わったら、その「歌うたい」は「誰や知らんけど、次の曲も良かったら一緒に演ろー。」と言って次の曲弾きはじめた。結局そのステージは終わりまで一緒にやってしまった。ステージを降りて来たら「最近自分のバンド作ろうと思てんのやけど、一緒にやらへんか?」これがゆーぞー君との出会い。
この時から彼との長いお付き合いがはじまりました。以来、40年!かけがえのない友人であるとともに、常にリアルに生き、心に映るものすべてを肉声で歌い尽くそうとする素晴らしいミュージシャンです。
6/30、7/1(彼の誕生日)の2デイズLive、ゆーぞー君の歌うたい40周年をこの拾得で祝うのは、何かとても不思議!里帰りですね。
Liveは大盛況で盛り上がりました。ゆーぞー君、そしてYuzo Band、五十嵐君を始めゲストの皆様、拾得のテリー、そして来てくれた皆さん、ありがとう!