大晦日@京都拾得

2013/01/19 at 12:14

omisoka@jittoku01

京都寺町に私の実家があります。ここ数年、大晦日に豊田勇造(vo,g)君と、その京都の拾得で一年最後のLiveをするのが恒例となっています。かといって、カウントダウンなどはなし。演奏する私達もお客さんも、もう若者ではありません。リラックスして一杯やりながら、年の瀬のひと時を、和やかに過ごす集まりです。9時過ぎにLiveは終わり、後はみんなで飲み会。こういう気楽な年越しがいいですね。<拾得と勇造君そして私→

omisoka@jittoku02

京都の大晦日は、ことのほか静かに暮れていき、11時半をまわると、やがて遠くから「ご~~~ん、ゴ~~ン」、いろんな音色の除夜の鐘です。毎年、これが聴こええくると、何だかしみじみした気持ちになります。

京都に生まれて良かったと思うこの頃。

12月 megasameta@Sometime

2012/12/31 at 14:45

Light0512/10(土)のmegasameta Quartet@吉祥寺Sometimeは、私の尊敬する山口真文(ts)、そしてレギュラーの古野光昭(b)安藤正則(ds)。真文さんと演奏する時、この人の音楽に対する姿勢に本当に頭が下がります。この日はステージの時間の経つのがはやく、1セット1時間15分見当で曲順を組み立てていたのですが、1回目も1時間半、2回目は1時間半超のセット。このバンドは「濃い演奏」なので、お客さんも聴き疲れかと思い気や、アンコールまでいただきました。最後までご清聴ありがとうございました。

演奏曲目は:

1st
I Remember You
Solar
Chan’s Song
All Blues
I Thought About You
Foot Prints (4/4)
 
2nd
So In Love (Pf Trio)
I’ll Close My Eyes (Duo w/山口)
Travels
500 Miles High
Miyako
Black Nile
 
encore
Someday My Prince Will Come
 

次回の megasameta Quartet@吉祥寺Sometimeは1/30(水)。フロントに若手サックス奏者、浜崎航を迎えます。浜崎君は一度ちゃんとご一緒したいと、以前から密かに注目していた逸材です。乞うご期待!

マイルスに教えられた事 その2

2012/12/31 at 14:02
←マイルすに教えられた事その1

birth of cool

マイルスを語る時、”Cool”(クール)という言葉がキーワードだと思います。この英単語の口語的語感は単に「冷静」というだけでなく、知性的、洗練された、というニュアンスに加え、「いかす」つまり、何よりもかっこよくなければなりません。 マイルスはワン・アンド・オンリーというだけでなく、いつの時代も常にジャズ界のトップランナーとして君臨し続け、時代の節目にバンドのスタイル驚く程変化させてきました。そのどれを聴いても一貫して “Cool” な音楽をやろうとするマイルスの姿勢が感じられるのです。

活動初期、マイルスは新進トランぺッターとしてパーカーのバンドにも在籍、ニューヨーク・バップ・シーンのど真ん中にいたわけです。周りにはクリフォード・ブラウン、ディジー・ガレスピー等、すごいトランぺッターが目白押し。全く個人的な推測ですが、音も貧弱、テクニックも大したことのないマイルスは、相当コンプレックスを感じていたのではないかと思います。(実際パーカーとの録音を聴くと、聴き劣り感は否めません。) ビーバップの演奏は、弁論大会の雄弁みたいで、すごい勢いでフレーズを吹きまくる、熱気あふれるアドリブ合戦です。圧倒的な個人技を誇る奏者がひしめく土俵で、同じ事をやっていたら勝てる訳がないとマイルスは考えたに違いありません。 悩んだ末、彼の出した答えが、アルバム “Birth Of Cool” だったと思います。個人技、アドリブ中心と正反対の方向性、つまり9人編成の緻密で洗練されたアンサンブル。そして熱に浮かされたビーバップの “Hot”とは真逆、知性的で冷静な音空間。何よりもそこには明確で意識的な「スタイル」がありました。

録音に参加したミュージシャン達はその後ウエスト・コーストを中心に「クール・ジャズ」というジャズのスタイルを作っていきます。 しかし、マイルス自身のアルバムを聴くと、このクール・ジャズの一派とは全く一線を画した空気があります。マイルスにとって”Cool”とは、単に冷静、知性的な演奏という表面的な事ではなく、意識面での、音楽や物事に対するアティテュード(意識の姿勢、態度)を意味していたのだと思います。ビーバップの演奏家達にコンプレックスを持っていながらも、”Hot”で汗だくなそのスタイルが、田舎っぽくダサイと感じていたマイルスは、同時に、ずば抜けて冷静で洗練された知性と感性が、自分に備わっている事を強く自覚していたと思います。その目覚めた意識を形に表現することこそ「”Cool”=かっこいい」と、そして、それができる自分の存在そのものが”Cool”なんだと、彼はそう言いたかったのではないかと想像しています。このアルバムはマイルスがワン・オヴ・ゼムからワン・アンド・オンリーへ一歩踏み出した記念碑と言えるでしょう。彼のどのアルバム、何を聴いても、「オレの音楽は違うだろ?こんな芸当はオレだからできる」とささやく彼の声が聞こえる気がしきます。こんなに自覚的な強い自己意識を持ち、それを意識的に表出してきた男は、ジャズの世界では、他に知りません。<マイルスに教えられた事その3に続く>

1月の演奏スケジュール

2012/12/19 at 23:57
1月のスケジュール
9(水)
Bar Bar Bar  (関内)  045-662-0493
w/田村美沙(vo) megasameta Trio/河原秀夫(b)高橋徹(ds)
10(木) パール・バー  (新宿)  03-3354-7577
w/情家みえ(vo)
11(金)
セロニアス  (東中野)  03-3365-0572
w/続木Brothers+辻邦博(g,vo)
12(土)
No Bird  (銀座)  03-6280-6006
w/吉野ミユキ(as)矢野伸行(b)正清泉(ds)石川真奈美(vo)
15(火)
サテンドール (六本木)03-3401-3080
w/遠藤さや(vo)大芝良子(vo)Nalmi(vo)松平幸子((vo)
成重幸紀(b貝増直樹(ds)平松加奈(vln)  
17(木)
Body&Soul  (青山)  03-5466-3348
Brazilian Nightw/向井滋春(tb)城戸夕果(fl)佐藤慎一(b)守新治(ds)
18(金)
あ・うん  (新宿)  03-5386-6063
w/琴音(vo)Ayuko(vo)
22(火)
サムデイ(新橋)03-3536-1777
w/向井滋春(tb)加納奈実(as)加藤真一(b)海野俊輔(ds)
23(水)
アリエス(御徒 町)03-3831-0523
w/マイク黒宮(vo)石川早苗(vo)風早龍也(b)藤井学(ds)
24(木)
Ko-Ko  (渋谷)  03-3463-8226
w/正清泉(ds)池田篤(as)山田穣(as)桜井郁夫(b)
25(金)
そるとぴーなつ  (江古田)  03-3993-3400
Duo ! w/吉野ミユキ(as)
26(土)
シュガーヒル  (草加)  048-927-7489
w/
長谷部健一 (ds)大山日出男(as)山田晃路(b)
29(火)
ファースト  (横浜日ノ出町)  045-251-2943
w/太田恵資(vln)+続木Brothers
30(水)
Sometime  (吉祥寺)  0422-21-6336
megasameta Quartet/浜崎航(ts)佐藤ハチ泰彦(b)安藤正則(ds)
31(木)
ドルフィー  (桜木町)  045-261-4542
w/原幸子(vo)

内緒のプロジェクト進行中

2012/12/09 at 23:13

以前の記事「ChickenShackリユニオン無事終了」でもちょっと紹介した内緒のプロジェクトが進行中です。内容はまだ内緒ですが、写真だけアップしますね。乞うご期待!

12月の演奏スケジュール

2012/11/22 at 14:48
12月のスケジュール
1(土)
Sometime  (吉祥寺)  0422-21-6336
Fusion Nightw/中村梅雀(b)竹野昌邦(sax)西山”HANK”史翁(g)田中 栄二(ds)
4(火)
セロニアス  (東中野)  03-3365-0572
w/吉野ミユキ(as)矢野伸行(b)
5(水)
終着駅は始発駅  (武蔵境)  0422-32-9994
w/澄淳子(vo)高橋(ts)古西忠哲(b)安藤信二(ds)
7(土)
石川酒造  (拝島)  042-553-0100
w/後藤輝夫(ts)その他
8(土)
P’s Bar  (池袋)  03-5391-3365
w/
吉野ミユキ(as)矢野伸行(b)
12(水)
P’s Bar  (池袋)  03-5391-3365
w/続木Brothers+辻邦博(g,vo)
15(土)
マンハッタン  (阿佐ヶ谷)  03-3336-7961
w/吉野ミユキ(as矢野伸行(b)正清泉(ds)
21(金)
Lady Day (練馬春日町)03-3998-0660
w/続木Brothers+八月薫子(vo)
24(月)
Sometime  (吉祥寺)  0422-21-6336
w/清水秀子(vo)津村和彦(g)桜井郁雄(b)
25(火)
パール・バー  (新宿)  03-3354-7577
w/高橋奈保子(vo)
26(水)
あ・うん  (新宿)  03-5386-6063
w/足立直子(vo)菊地真紀(vo)
27(木)
Sometime  (吉祥寺)  0422-21-6336
megasameta Quartet/山口真文(ts,ss)古野光昭(b)安藤正則(ds)
31(月)
拾得  (京都)  075-841-1691
w/豊田勇造(vo,g)筒井ケイメイ(harmonica)仲豊夫(g)山田晴三(e-b)
永見潤(ds)羽栗唯明(g)

11月 megasameta w/向井滋春@Sometime

2012/11/13 at 15:19

11/10(土)の megasameta Quartet@吉祥寺Sometimeは、フロントに日本を代表するトロンボニスト、向井滋春、そしてレギュラーの古野光昭(b)安藤正則(ds)。向井さんとは知り合って30年以上のお付き合い。気心が知れていて、いつご一緒しても楽しい演奏となります。この日はこの組み合わせで今まででもベストの一晩でした。向井さんのプレーは勿論、古野さん安藤君も素晴らしかった。その上バンド内の絡みがスゴく自由で、意識的ではなく自然な起承転結が生まれてきました。スポンテニアスなイナタ―プレイとはこういう感じ!お客さんもよく聴いていて下さいました。

この日の曲目は:
 
1st
Out Of Nowhere
Foot Prints
Chan’s Song
Autumn Leaves
Autumn In New York
Firm Roots
 
2nd
Over Joyed (Pf Trio)
I Remember You (Duow/向井)
Batida Diferente
(Summer Night)
Someone To Watch Over Me
Bolivia
 

次回の megasameta Quartet@吉祥寺Sometimeはフロントに私が尊敬するサックス奏者山口真文さんを迎えて、ウエイン・ショーターの曲等をお聴かせします。独特な存在感のある真文さんの演奏は聴きものです。ぜひお運び下さい。

クルン・サイアム/吉祥寺 タイ料理

2012/10/22 at 20:28

p2吉祥寺はエスニック料理も大激戦区。タイ料理で一番と思うのは、「クルン・サイアム」。タイ料理は強い辛、酸、甘味、ナンプラーにスパイス、パクチーやミント等ハーブたっぷり。その一つ一つが強烈な個性を発揮するので、綱渡り的アバンギャルドなバランス感が不可欠な料理。このお店はそのバランス感がとてもいいのです。私のお気にりはタレー・ハッポン・カリー。とろとろ半熟卵とじ海鮮カレー。ぜひお試しあれ!

 

11月の演奏スケジュール

2012/10/21 at 19:46
11月のスケジュール
1(木)
JZ Brat(渋谷)03-5728-0168
w/吉野ミユキ(as)高橋里実(as)堤智恵子(as)矢野伸行(b)公手徹太郎(ds)
3(土)
フェローズ  (栃木県小山市)  0285-24-0341
Duo w/吉野ミユキ(as)
7(水)
Ko-Ko  (渋谷)  03-3463-8226
w/吉野ミユキ(as)山本裕之(b)正清泉(ds)
9(金)
Ko-Ko  (渋谷)  03-3463-8226
w/大友義雄(as)向井滋春(tb)古野光昭(b)藤井学(ds)
10(土)
Sometime  (吉祥寺)  0422-21-6336
megasameta Quartet w/向井滋春(tb)古野光昭(b)安藤正則(ds)
13(火)
ハーバー・ライト  (国立)  042-577-5510
w/向井滋春(tb)河原秀夫(b)
14(水)
アリエス(御徒 町)03-3831-0523
w/マイク黒宮(vo)近藤淳(vo)風早龍也(b)村田憲一郎(ds)
16(金)
あ・うん  (新宿)  03-5386-6063
w足立直子(vo)篠塚恵津子(vo)
17(土)
Blue Moon  (三鷹)  0422-47-1662
Jam host w/古西忠哲(b)
18(日)
セロニアス  (東中野)  03-3365-0572
Duo w/上西千波(vo)
19(月)
Bar Bar Bar  (関内)  045-662-0493
w/渡辺明日香(vo) 
megasameta Trio/河原秀夫(b)関根英雄(ds)
20(火)
サムデイ(新橋)03-3536-1777
w/高瀬龍一(tp)伊勢秀一郎(tp)古西忠哲(b)
22(木)
そるとぴーなつ  (江古田)  03-3993-3400
w/吉野ミユキ(as)矢野伸行(b)
23(金)
h.s.trash  (市川)  047-323-5066
w/続木Brothers+辻邦博(g,vo)
25(日)
Sometime  (吉祥寺)  0422-21-6336
w/清水秀子(vo)斎藤誠(b)関根英雄(ds)
30(金)
曼陀羅 2  (吉祥寺)  0422-42-1579
Duo ! w/豊田勇造(vo,g)

マイルスに教えられた事 その1

2012/10/07 at 18:43

私は中学生の頃から「ジャズ喫茶」に出入りするちょっとませた少年でした。学生寮で先輩がかけていたジャズをいっぺんに好きになり、もっと聴きたいとその先輩に言うと、ジャズ喫茶に連れて行ってくれたのがはじまりでした。タバコと珈琲が入り混じった匂いと、店自慢のオーディオから流れる大音量のジャズ。ゆうに数千枚のコレクションからマスターがかけるLPレコードの音を、珈琲をすすりながらただただ黙って聴くだけのお店。私語など厳禁。「通」じみた雰囲気が大人な感じに思え、中学生の私にはわくわくする経験でした。ジャズ喫茶は、今思えばかなりへんてこな商売ですが、当時はそれで成り立っていたのは面白い時代でした。ともあれ、珈琲一杯で何時間も粘れて、ジャズをしこたま聴けるので、すぐ入り浸るようになりました。当初は何の知識もなく、全く真っさらで聴いていたわけで、勿論ジャズの音楽理論なんかはゼロ。「いったい何だかわかんない」のですが、私の耳にはすごく新鮮で面白い音楽に聴こえました。(可能ならあの頃に戻りたい!)ある日、いつものようにジャズ喫茶で聴いていたら、何枚目かにすごく不思議なジャズがかかりました。それまでに聴いたジャズとは全く異質、まるで宇宙人の音楽のよう。同時に背中がゾクッとする程かっこいい!そのレコードは赤いジャケットで、マスターに確かめたらマイルスの新譜、”Miles Smiles” と教えてくれました。それからしばらく、ジャズ喫茶に行く度にこのアルバムをリクエストしていました。理論も何も知らないので、分析的には何がどうかっこいいのかわからないのですが、何度聴いてもゾクゾクしてしまうのでした。もうこれは買うしかないと、輸入版を扱うレコード店に行ったら、新譜なのでアメリカから取り寄せになると言われ、1ヶ月かそこら経った頃、待ちに待った入荷通知(ハガキ)が来ました。受け取りに行く時のわくわくした気持ちは今も忘れられません。かくして、Miles Smiles は私が初めて買ったジャズのレコードとなりました。(実はその時もう1枚買ったのですが、それは、”Solo Monk“。こちらも強烈なインパクトを受けたレコードでした。)その後、”Sorcerer“、”Nefertiti“とマイルスの新譜が出る度に夢中になりました。ミュージシャン経験を積んだ今聴いても、そのかっこよさは全く色あせてはいません。その上、音楽的にも他の追随を許さないとんでもない内容という事がよくわかります。(少年時代の自分はいい感性してたなと、少しまんざらでもない気持ちになります。)

その後、様々なご縁が重なって、図らずも私はジャズピアニストになってしまいました。なぜ中学時代の事を書いたかと言うと、私のジャズ人生でマイルスから受けた影響、教えられた事は計り知れないのですが、振り返ってみるとマイルスとの出会いは、ジャズ喫茶で初めて聴いた衝撃の Miles Smiles にさかのぼるからです。<マイルスに教えられた事その2に続く→