夏の電力不足・養老孟司の話

2012/09/10 at 15:45

そろそろ夏が終わろうとしています。振りかえって見ると、関西の電力が足りなくなるから大変だ!と大騒ぎの最中、一人「電力不足、結構な話じゃありませんか。」と言っていたのが養老(孟司)さん。なぜ結構かというと、「人の価値が上がる」から。電力不足で機械が止まると、その分人が働く必要がある。人へのニーズが高まり人の価値が上がる、との論です。逆にいうと、社会を高度に機械化した事により、人は自分達の価値を自ら下げる結果を招いてしまった、という考えです。しかし、養老さんは何も前機械文明社会への回帰を原理主義的に唱えているのではないと思いました。むしろ、機械化をここまで押し進めてしまった人間の物の見方、効率を上げる事が強迫観念化した現代の価値観の是非を問うていると思います。換言すると、人が額に汗して働く事の尊さを見失った社会は本当に人のためになるか?、幸せをもたらすか?という問いです。ある程度の効率は確かに人に「楽」をもたらします。しかし機械化が進み過ぎた先進国を見ると、どこも大量の失業者、経済も社会も政治も矛盾だらけ。いっぱい物を持っているのに満足感が生じず、先行きに夢や希望も乏しい。それどころか仕事をなくしたら、自分を無価値と感じ心が病んでしまう。日本も例外ではありません。こんな高効率社会の対極にあるモデルとして「幸福の国ブータン」を考えれば、その対比から私達の問題点が鮮明になると思います。 一体この機械化、効率化の正体とは? 真に人に幸せをもたらす価値観とは? そして、そもそも「幸せ」とは? 自分の頭でよく考えてみろと養老さんが問いかけているように感じました。

ちなみに、今夏関西の電力実需を検証すると、大飯原発の再稼動がなくても電力は十分足りていたとの報道。この国の病は重い。

バンプレそしてDavid T.のこと

2012/09/04 at 08:59

1990年代にBand Of Pleasure(通称バンプレ)という日米混成バンドをやっていました。メンバーは山岸潤史とDavid T. Walker(デイヴィッド)のツインギターをフロントに、James Gadson(ds,vo)(ギャド)と清水興(e-b)(シミやん)のリズムセクション。R&Bやファンク、ブルース、ゴスペル、ジャズ等、黒人音楽の要素が渾然一体となったインスト・バンドで、ギャドのヴォーカルもフィーチャー。山岸と私が一緒なので、路線としてはチキンシャックと重なりそうなのに、全然違う音世界でした。チキンシャックは世界中探してもあんな音を出すのはあのバンドだけですが、このバンプレも、まぎれもないワンアンドオンリー・バンド!私のプレイも、自然にチキンとまるで違うものになりました。さて、デイヴィッドとギャドは、R&Bの歴史のど真ん中で、数々の伝説を作ってきたミュージシャン。彼らの出す音一つ一つが超リアルで「そのまんまの音」(う〜ん、うまく言えません)。

最初の1年位は一緒に音出す度に、頭を割られるような衝撃の連続でした。この2人とバンドを作り、一つ屋根の下で同じ釜の飯を喰う体験は私にとってかけがえもない宝になりました。そんな2人のアメリカ代表に勝るとも劣らない日本代表は、誰もが認める超凄腕の山岸とシミやん。あれはホントにとんでもないバンドでした。このバンドと出会わなければ、絶対わからなかった事がいっぱいあり、あの4人には感謝してもしきれません。

先日、David T. Walker日本語公式サイトを運営しているウエヤマさんからインタヴューの依頼があり、くだんのデイヴィッドについて様々語ってきました。話していくうちに、ヴィヴィッドに色んな情景が思い出され、まるであのデイヴィッドが目の前にいるような気分におそわれました。その話の内容がサイトに掲載され、ウエヤマさんの素晴らしい編集のおかげで、おもしろい読み物に仕上がりました。ぜひご高覧下さい。→ Something for T. #16

追伸:バンプレもリユニオンやれたらいいなあ〜〜!

豊田勇造 “(だいたい)四十周年Live”@拾得

2012/07/04 at 17:51

70年代の初め京都のライブハウス拾得、玄米定食を食べに立ち寄ったら
誰かがステージで生ギターを弾きながら歌っていた。歌を聴いてたら急に一緒にピアノを弾きたくなって歌の途中なのにそこにあったピアノで突然セッションし始めた。
その曲が終わったら、その「歌うたい」は「誰や知らんけど、次の曲も良かったら一緒に演ろー。」と言って次の曲弾きはじめた。結局そのステージは終わりまで一緒にやってしまった。ステージを降りて来たら「最近自分のバンド作ろうと思てんのやけど、一緒にやらへんか?」これがゆーぞー君との出会い。

この時から彼との長いお付き合いがはじまりました。以来、40年!かけがえのない友人であるとともに、常にリアルに生き、心に映るものすべてを肉声で歌い尽くそうとする素晴らしいミュージシャンです。

6/30、7/1(彼の誕生日)の2デイズLive、ゆーぞー君の歌うたい40周年をこの拾得で祝うのは、何かとても不思議!里帰りですね。

Liveは大盛況で盛り上がりました。ゆーぞー君、そしてYuzo Band、五十嵐君を始めゲストの皆様、拾得のテリー、そして来てくれた皆さん、ありがとう!

勇造くん音楽活動40周年

2012/06/26 at 01:14

7月1日は京都のシンガーゾングライター豊田勇造君の誕生日。彼は今年で音楽活動40周年になります。その記念Liveが目白押しで、私も各地でご一緒します。
彼の歌ってきた歌の数々は、そのまま彼の人生と、巡り会った人々、旅したあちこち、大きな、そして小さな出来事、そして時代の歴史そのものです。彼の体験を通して生まれた歌と言葉には、リアリティーと説得力、共感があります。機会があったらぜひご一聴下さい。